生活相談員・社会福祉士
T・N
2013年入職
ユニット勤務では、日々のケア+αでその人らしさや楽しみを見つけていくことを大切にしていました。
現在私は生活相談員として働いているのですが、入職当初は特別養護老人ホームでの介護職からキャリアをスタートしました。居室担当として入居者さんの日々に寄り添いながら、定期的にモニタリングをしたり、ケアプランにそった根拠のあるケアを行えているかや、入居者さんがご本人やご家族の意向にそった暮らしを送れているかの見直しをして、ユニット会議などで確認と情報共有を行っていました。
その中で私が大事にしていたことは、日々のケア+αでその人らしさや楽しみを見つけていくこと。例えば、施設の催しで居酒屋イベントを企画した際は、同期の職員と料理を作って入居者さんに振舞ったり、お寿司が好きな入居者さんを回転寿司にお連れしたり、阪神ファンの入居者さんと甲子園へ試合を見に行ったり。一緒に楽しめることを自由に行えたことで、「暮らしを共にしている」ということを実感しました。その人らしい暮らしを実現するためには、単なる業務として接するのではなく、日々の一つひとつのかかわり方がとても大切なのだと感じました。
介護職から、生活相談員へ。
入居者さんの「これまで」と「これから」をいかに繋げるかを大事にしています。
大学で福祉を専攻し相談業務についても学んでいたので、「ゆくゆくは相談業務に携わりたい」と思っていました。上司にもそれを伝えていたので、現場でケアに携わり、ユニットケアについて学び、介護経験を積むうちに、「生活相談員として働いてみない?」と声をかけてもらいました。
生活相談員の業務では主に施設の窓口となり、入居・退居の手続きや、ご家族や医療機関、行政への連絡・連携、ボランティアの方の受け入れなども行っています。そのほかにも、園での生活に対するご家族やご本人からの相談や苦情への対応といったところも担っています。ユニットで介護職をしていたとき以上にご家族と深くかかわることが増えたことで、より一層、日頃からのコミュニケーションの大切さを感じています。また、入居者さんの「今の姿」だけでなく「これまでのご様子」を伺うことも多くなり、これまでとこれからをいかに繋げるかといったところをより気に掛けるようになりました。入居前の面談のときから、いろいろなお話を伺いながら少しずつご家族の方とも関係性をつくり、ご意向や思いを伺って、それを実際にケアをする職員や看護師、栄養士、機能訓練士などの多職種と共有し、神の園での暮らしでも入居者さんにその人らしさを引き出せるように働きかけるところに私はやりがいを感じています。
最初に介護の現場を経験したことが、視野やキャリアの幅を広げてくれています。
神の園には、日々の頑張りややる気をみて評価してくださる人がいて、先のキャリアの相談にのって応援してくださる人がいます。要領や効率の良さよりも、誠実さを見てくださるので、仕事がなかなかできないときでものびのびと楽しく働けていると感じています。また、職員みんなが、育休や時短勤務の職員に理解があり、気持ちよくフォローしてもらえるので、出産や子育てを理由にリタイアするのではなく両立しながら働けるのも魅力だと思います。今はまだ生活相談員としては日が浅く、経験や知識が不足していて勉強の毎日ですが、入居者さんや家族さん、そして現場の職員にとっても、安心して相談できる存在になりたいと思っています。そのため、知識を広げる意味でも次はケアマネジャーの資格の勉強を頑張りたいと思っている今日この頃です。
将来、生活相談員になりたいという思いのある学生さんも多いと思いますが、私の経験からも、まずは施設勤務をして現場の中でお年寄りとかかわる機会を持ってほしいと思います。どういうケアをしているのかといった実情を現場で経験してから生活相談員になったほうが、入居者さんのその人らしさを引き出すためにも幅は広がると思いますよ。